ラトビア・リガに掲げられた日の丸。そこには戦争の悲しい歴史と日本との共通点がありました。
バルト三国の中央に位置する国、ラトビアは小国のため占領との戦いの歴史を刻んできた。このラトビアの首都、リガにある軍事博物館の展示は、複雑な歴史をたどってきた国だけに見ごたえがあります。
入場料はなんと無料!歴史を学ぶのに素晴らしい場所なので、リガへ行ったらぜひ立ち寄ってほしい場所です。
博物館へ入ってみるとローマ帝国時代、十字軍のものから第一次世界大戦までセクションを分けて展示がされています。物々しい音楽と雰囲気の部屋へ近づき行ってみると、なんと日の丸を発見!なぜラトビアに日の丸が掲げられているのでしょうか?
1918年、第一次世界大戦を経て、ラトビアはロシア帝国より独立を勝ち取りました。しかし第二次世界大戦中の1940年、再びラトビアはソ連に占領されることになりました。ここで生じるのが日本との接点です。当時満州国に駐屯していた旧日本軍(関東軍)はソ連の捕虜となり、シベリアや樺太へ強制労働送りにされる人もいました。ラトビア人もソ連の方針で、シベリアや樺太に赴き仕事をしていた人が多いそうです。その中で樺太に赴任していたラトビア人医師が、日本人の捕虜と仲良くなり譲り受けたのがこの日の丸。
41人の日本人の名が刻まれたこの日の丸ですが、世に出るようになったのは。ラトビアがソ連の崩壊で独立した、1991年以降とのことです。それまではKGBの目も光る中、敵国だった日本のものを持っているのはご法度だったようで、樺太で受け継いだラトビア人医師も隠して本国まで持ってきたとのことです。
個人的に私は各国に立ち寄ったら、戦争博物館や軍事博物館に行ってみることにしています。なぜならその国の大事にしている部分やプライドが分かる気がするからです。どういった歴史を持ち、歩んできているのか各国の視点で見れるのはおもしろく、同時期の様々な国の状況を比較すると、世界はつながっているんだなと感じられます。ラトビアでは思いがけない日本とのつながりを感じられ、考えさせられました。
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